遺言の種類を知ろう!
青森県八戸市の行政書士・終活カウンセラーのあらいです。
前回から2回に分けて、自筆証書遺言保管制度と、その手続きについてお話いたしました。
今回からは、遺言書についてのお話です。
Contents
はじめに
「遺言書を書くこと」や「エンディングノートの活用」など終活をするうえで大切なことだというのは何となくわかりますし、最近ではテレビや、雑誌でもよく目にします。
「遺言書、書いておいたほうがいいのかな」
「終活そろそろはじめてみようかな」
その前に、当事務所で遺言書についてお話をする際、必ず聞かれる質問に触れておきたいと思います。
下記ブログも是非参考になさってくださいね!
それではよくある質問にお答えしていきます!
・そもそも遺言って何?
・どんな種類があるの?
・遺言書とエンディングノートと何が違うの?
・遺言書を作るタイミングって?
そもそも遺言って何?
遺言には2つの意味があります。
①死にぎわに言葉を残すこと。また、その言葉。
②人が、死亡後に法律上の効力を生じさせる目的で、遺贈、相続分の指定、相続人の廃除、認知などにつき、民法上、一定の方式に従ってする単独の意思表示。
「大辞泉」より
①の意味では遺言は死ぬ間際に書いたもの、いわゆる「遺書」です。
②の意味では自分が亡くなった後に、財産関係と身分関係についてどうしてほしいかを意思表示する行為で、法律上の効力を生じさせるものです。
これを文書にしたものを「遺言書」と言います。
①と②は混同されているため、少し前までは
「遺言書を書くなんて…」
「まだ元気だから、必要がない」
というあまりいいイメージを持たれることはありませんでした。
近年話題になるものは②の意味での「遺言」です。
そして、この②の「遺言」は自分の死後に、法律上の効果を生じさせるものですので、「遺言能力」があるうちにしか書くことが認められていません。
この「遺言能力」というのは、遺言の内容を理解してどのような法律効果が生じるのかを理解できていないといけません。ということです。
ですのでよく
遺言書は元気なうちに書いておきましょう
と言われるんですね!
遺言書にはどんな種類があるの?
正式には遺言書の種類には「普通方式」「特別方式」とに分けられます。
「特別方式」は極めて例外的な場面に限られますので、「普通方式」の遺言についてご説明します。
「普通方式」の遺言は3つの種類に分けられます。
①自筆証書遺言
②公正証書遺言
③秘密証書遺言
③の秘密証書遺言はほとんど使用されていないため、①自筆証書遺言と、②公正証書遺言メリット・デメリットについて解説していきます。
自筆証書遺言のメリット・デメリット
自筆証書遺言とは、内容・日付・氏名を自署で書き、押印をするものです。
メリット
紙とペンと印鑑があればすぐにでも書くことができる、最も手軽に作成できる遺言方式。
お金がかからない。
デメリット
様式不備で無効になる恐れがある。
死後、発見されないことがある。
検認の手続きが必要であるため、相続人の手間がかかる。(約1~2か月)
公正証書遺言のメリット・デメリット
公正証書遺言とは、公正証書(公証人)が作成する遺言のことです。
メリット
公証人が作成するので、様式の不備で無効になる恐れがない。
作成後は遺言書の原本を保管できるため、信頼性が高い。
検認の手続きも不要。
デメリット
公証人手数料などの費用がかかる。
証人の立会いが必要になる。
遺言書とエンディングノートと何が違う?
似ているようで、実は全く違う遺言書とエンディングノート。どのような違いがあるのでしょうか。
遺言書…自分が亡くなった後に、財産関係と身分関係についてどうしてほしいかを意思表示する行為で、法律上の効力を生じさせるもので、様式にも決まりがあります。
エンディングノート…介護や、葬儀等の希望、何かあった時のために連絡してほしい人のリスト、銀行口座や生命保険の加入状況などを整理把握しておくことができます。また、思い出や、自分史・家系図など記録として残しておくことができますし、形式なども自由です。法律上の効力はありません。
下に図でまとめてみました
遺言書 | エンディングノート | |
---|---|---|
法律上の効力 | あり | なし |
書き方の決まりごと | あり | なし |
費用について | 自筆証書遺言➡かからない 自筆証書遺言保管制度使用➡数千円 公正証書遺言➡手数料数万円~ | なし~数千円 |
遺言書を作るタイミングは?
エンディングノートを書いて、完成に近づいてきた
➡これから、本格的に遺言書を書いてみようという気持ちの整理がついた
相続人の関係で変化があった
➡入院した・結婚した・子供が生まれた 等
人はいつ「その時」が来るかわかりません。環境や、気持ちに変化があった時にご相談される方が多いです。
その他にも、以下のようなときは特に遺言書を作っておいたほうがいいとされています。
- 子供がいない場合
- 再婚している場合
- 相続人が遠方に住んでいる
- 相続人と音信不通である
- 事業や、農業を営んでいる
- 相続人同士が不仲の場合
- 内縁の妻がいる場合 など
遺言書を作成される場合は、是非専門家に相談してくださいね。
まとめ
・遺言書は元気なうちに書くものです
・自筆証書遺言と公正証書遺言・秘密証書遺言の3種類あります
・遺言書は法的効力が生じます
・遺言書を作る際はまず相談を!
現在、書店などで自筆証書遺言セットというものが販売されていて、手軽に記入できる反面、不備があった場合は無効になってしまいます。
良かれとおもってしたことが、「争族」を招いてしまうことがあるのです。
記入の際、どの点に気を付けたらいいのか、無料相談も行っている専門家にまずはお尋ねください。
あらい行政書士事務所も無料相談を実施しております。
是非お気軽にお問合せください。