自筆証書遺言保管制度の基礎知識②
青森県八戸市の行政書士・終活カウンセラーのあらいです。
前回から自筆証書遺言保管制度について解説しております。今回は第2弾です。
予告のとおり、
①自分の遺言書を確認したい場合
②保管している遺言書を返してもらいたい場合(撤回)
③遺言者が変更事項を届け出る(変更の届出)
④保管している遺言書の内容を変更したい場合
について解説していきます!
Contents
①自分の遺言書を確認したい場合
遺言書の閲覧の請求をして遺言書保管所で保管されている遺言書の内容を確認することができます。
閲覧ができるのは遺言者本人のみです。
モニターで閲覧する場合と遺言書の原本を閲覧する場合の2通りあります。
- ①閲覧の請求をする遺言書保管所を決める
- モニターによる閲覧➡全国どの遺言書保管所でも閲覧の請求が可能です。
遺言書原本の閲覧 ➡遺言書の原本が保管されている遺言書保管所でのみ閲覧請求可能です。
- ②請求書を作成する
- 必要事項を記入します。
請求書は法務省ホームページ「遺言書の閲覧の請求書」から印刷することができます。記入例もあります。
- ③閲覧請求の予約をする
- ④閲覧の請求
- 予約の当日に②の請求書を遺言書保管所に提出します。
■モニターによる閲覧の手数料は一回につき1,400円
■遺言書原本の閲覧の手数料は一回につき 1,700円
必要な収入印紙を請求書の3枚目の手数料納付用紙に貼ります。
■本人確認のため、顔写真付きの身分証明書を提示してください。
- 閲覧をする
②保管している遺言書を返してもらいたい場合(撤回)
一度保管の申請をした後に遺言書を返してもらうことができます。(撤回といいます)
撤回できるのは遺言者本人のみです。
- ①保管申請の撤回書を作成する
- 撤回書必要事項を記入します。法務省ホームページ「遺言書の保管の申請の撤回書」から印刷することができます。記入例もあります。
- ②撤回の予約をする
- 保管の申請の撤回ができるのは遺言書の原本が保管されている遺言書保管所のみです。
- ③撤回し、遺言書を返してもらう
- ■本人確認のため、顔写真付きの身分証明書を提示してください。
■遺言書の保管の申請の撤回には手数料はかかりません。
③遺言者が変更事項を届け出る(変更の届出)
遺言書保管の申請時以降に氏名・住所などに変更が生じたときは変更の届出をする必要があります。
変更の届出ができる者は、遺言者本人とその親権者や成年後見人等の法定代理人です。
- ①届出書を作成する
- 届出書に必要事項を記入します。法務省ホームページ「変更届出書」
- ②変更の届出の予約をする
- 全国のどの遺言書保管所でも届出をすることができます。
- ③変更の届出をする※郵送でも可能です。
- ■変更が生じた事項を証する書類(住民票の写し・戸籍謄本など)
■請求人の身分証明書のコピー
■変更の届出に手数料はかかりません。
④保管している遺言書の内容を変更したい場合
遺言書の内容を変更することも可能です。
撤回をせずに、新しい遺言書を保管するということも可能ですが、推奨されているのは下記の方法で
簡単に言うと、撤回し、新たに遺言書の保管の申請をするという方法です。
- ①保管している遺言書を返してもらいたい場合(撤回)の方法で遺言書を返してもらう
- 撤回書必要事項を記入します。法務省ホームページ「遺言書の保管の申請の撤回書」から印刷することができます。
■遺言書の保管の申請の撤回には手数料はかかりません。
- ②自筆証書遺言を作成
- あらい行政書士事務所では、終活カウンセラーの資格を持つ代表が自筆証書遺言の作成や、チェックを行っております。
■自筆証書遺言作成 50,000円(税別)
■自筆証書遺言チェック 20,000円(税別)
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- ②保管の申請をする遺言書保管所を決める
- 保管の申請ができる遺言書保管所は下記のいずれかを管轄する遺言書保管所です。
●遺言者の住所地
●遺言者の本籍地
●遺言者が所有する不動産の所在地
- ③申請書を作成
- 法務省ホームページ「遺言書の保管申請書」で申請書を作成
- ④保管の申請の予約と申請
- 予約の当日に、遺言者本人が下記書類を持参し、遺言書保管所に向かいます。
✅遺言書(封をしない・封筒も不要)
✅記入済みの申請書
✅添付書類(作成後3か月以内の本籍の記載のある住民票の写し)
✅本人確認書類(マイナンバーカード・運転免許証・パスポートなど)
✅手数料(遺言書の申請手数料:1通につき3,900円)
- ⑤保管証の受け取り
- 法務局で、遺言書の形式審査を行い、原本保管と画像情報化して保存されます。
手続きが終了したら出生の年月日遺言書の保管場所・保管番号が記載された保管証を受け取ります。
まとめ
今回は主に遺言者が行う手続きについて確認してみました。
おもったより簡単にできて、料金もあまりかからないことはメリットの一つですね!
この「自筆証書遺言保管制度」は【遺言者本人が手続きをする】ことがポイントです。
誰かが代理で提出したりすることはできません。例えば、病気で入院されていて自分で保管申請できない場合は
この自筆証書遺言保管制度を使うことができないということです。こういった場合には
●「自筆証書遺言をこれまで通り自宅で保管」
●「公正証書遺言」のどちらかを選択することになります。
それでは、次回は
自筆証書遺言と公正証書遺言どちらがいいの?
双方のメリットデメリットや注意点をお話したいと思っています!